第11話 CINDERELLA MAN





それは、ザイモク様がこの世界に現れる少し前のこと…





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このまま朽ち果ててゆくはずだった。


牢獄の中で名も無き囚人として


単なるパン泥棒として。



しかし、運命はそれを許さなかった。



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皇帝「このアミュレットを…コロルにいる…ジョフレという男に…」
見知らぬ男から託された首飾り。
これがこの世界の命運を握っているという。
面白い。

単なる世迷言かもしれない。
本当にこれが世界存亡を左右する鍵なのかもしれない。
甘んじて受け入れよう。それが運命ならば。


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下水の排水溝から表へ出れたものの、自分の格好を水面に映してみれば皮膚は垢で真っ黒、髭も伸び放題、服は腰に巻いたボロ布一枚だけときてる。
これでは人里でなくとも他人の目についてしまう。

どうしたものかと思案していると帝都とは反対側、川の向こう岸に煙が上がっているのが見えた。
確かあそこには遺跡があったはずだ。
帝都からさほど遠くない場所であるにも関わらず、わざわざ街に入らずキャンプを張っている以上、いるのは普通の旅人というわけではないだろう。
垢を落とすついでに川を泳いで渡り、気配を絶ち距離をとって物陰から火元の様子を伺う。
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二人の人影――装いからしておそらく盗賊。
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得物は片方が手斧、もう片方が弓と短剣。

体臭で気取られぬよう、慎重に風下から迂回しながら弓使いの背後へ回り込む。
物陰から音も立てず飛び出し弓使いの腰から短剣を抜き盗ると、そのまま弓使いの盆の窪に突き立てる。
振り返る事もできないまま弓使い即死。
盗賊「なんだ、テメ…」
弓使いが崩れ落ちると同時に、我に返ったもう一人が抜刀しようとしたが些か遅すぎる。
啖呵を切り終わる前に、盗賊の首は胴体と別れを告げていた。
やや遅れて頭部を失った首から鮮血が噴水のように噴出し、みるみる間に血溜りを広げていく。
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男「(まだ短剣で首を落とせる膂力が残っていようとはな)」
血に塗れた手と短剣を見つめながら自嘲的に呟く。
十年以上の監獄生活は、少しもこの体に染み付いた忌まわしき業を忘れさせてはくれなかった。





男は川の水で短剣に付着した血糊を洗い流すとそのまま大雑把に、しかし器用に髭を剃り落とす。
そして盗賊から剥ぎ取った装備を身に着け、鬱蒼と生い茂った木々の中へ溶け込むように消えていった。
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かくして、最も危険な男が再び野に放たれた。
世界存亡の鍵"Amulet of Kings"をその手に持って。



彼の名はイスマエル。


かつて"剣獣"と呼ばれた男―――――――――――





To be Continued...

お、新キャラですか(・ワ・)o"ワクワク
冒頭のシーンが監獄だったので、一瞬、「ザイモクさんに髪の毛が!」と思ってしまったのはナイショです(`・ω・´)
[ 2008/06/24 00:09 ] [ 編集 ]

>れらさん
ホントはもうちょい後に登場させる予定のキャラだったんですが…
こっちの方が文章量少なくて済みそうだったので前倒しで使いましたwwwwwwwwwwwwwwww

<冒頭のシーンが監獄だったので~
監獄から色んな事が起こるのはタイトルの通りでガンスwwwwwww
[ 2008/06/24 00:28 ] [ 編集 ]

タイトルがシンデレラ・マンなんですねw
これは「成り上がり男」という感じなのでしょうか。
考えて見れば、牢獄からの一発逆転サクセスストーリーですもんね(*´∀`*)
最初、裸で鉄のヘルメットだけをかぶっていると思ったのはナイショです(`・ω・´)
[ 2008/06/25 00:09 ] [ 編集 ]

>ピズさん
タイトルは同名の(実話を基にした)映画からの引用です。
内容的には「成り上がり」というよりは「一度、歴史から消えた男の再起」
という感じでしょうか。

<ヘルメット
所詮Oldblivionはこの画質が限界ですwwwwwwwwwwwww
[ 2008/06/25 21:49 ] [ 編集 ]

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