第7話 沈黙の帆船(前編)

城へ帰ってもお嬢は一言も口を利かないまま自室へ篭ってしまった。
聞きたい事は色々あったが、また部屋に入ってボコられるのもイヤなので、漏れ様も仕方なく自分の部屋(牢屋)へ引き篭もって時間を潰していた。
夜明け頃になってノエルさんがやってきた。ノエルさん来訪

ノエル「帰ってきてからお嬢の様子がおかしいのですが…監獄で何かありましたね?」
訊く、というよりは断定だった。特に隠し立てしても仕方が無いので、漏れ様は監獄で起こった事を包み隠さずノエルさんに話した。
ノエル「…その傭兵だと言った男の容貌を覚えていますか?」
漏れ様「爬虫類みたいなツラした奴だったかな。目と口の両端が吊りあがってて、笑い顔が貼り付いてるような…」
何か心当たりがあるらしい。あの男と会った時のお嬢のようにノエルさんの顔色もみるみる間に変わった。
ノエル「きっとピーター…いえ、間違いなくピーターでしょうね」
漏れ様「お嬢も面識があるみたいだったけど・・・有名な奴なのか?」
ノエル「ピーター・ヴァンス。通称「狂い屋ピーター」。血生臭い世界では超がつくほどの有名人ですよ。もっとも、今でこそ名の通った傭兵…というより殺し屋ですが、彼もかつては錬金術師として名を馳せた男でした。」
漏れ様「…何かまた込み入った話になりそうだな。その先を聞いても構わないかね?」
ノエル「ええ、いずれは耳に入る話でしょうし、今お話しておきましょう。」
椅子に腰掛けると、ノエルさんは訥々と語り始めた。
ノエル「十年以上前、1人の男が先代フォレスター博士の元を逐電しました。男はお嬢の兄弟子にあたり、勤勉でお嬢に負けず劣らず錬金の才があった事から、先代から助手として重用されていました。
    お嬢も彼を実の兄のように慕い、共に錬金の腕を磨いておられましたが…」
漏れ様「そんな男がどうして…」
ノエル「錬金術には一つだけタブーがあるのをご存知ですか?」
漏れ様は首を横に振る。この世界に来て間もない漏れ様が知るわけが無い。
お嬢「――――――――『生命を素材に使う事』よ。
お嬢来訪

ノエル「お嬢!」
お嬢「用があって来てみれば…許可も無くプライベートな事を話しすぎよ、ノエル。」
ノエル「申し訳ございません。」
恭しくノエルさんが頭を下げる。この人本当にお嬢には従順なんだな。
お嬢「そこから先は自分で話すわ――――私達錬金術師は無から有を生み出す事ができる。でも生命を徒に扱う事は神に背く事、というのがずーっと錬金術師の間で脈々と受け継がれてきた考え方だったのね。」
まるで学校で先生が生徒に諭すかのようにお嬢は語り始めた。
お嬢「あいつが逐電する数ヶ月前から近隣の街や村で行方不明者がでていたの。まあ、物騒なご時世だから、誰もそれがたった一人の手によって行われていたなんて思わなかったんでしょうね。
   ところが“最近、夜中に何度も大きな荷物を家に運び込んでいる男がいる”という目撃証言から捜査線上にあいつの名が挙がって、ガードがあいつの家に踏み込んだのだけど…既にそこはもぬけの殻。過去の惨劇
代わりに地下室からは行方不明になった人達の遺留品と―――人とも獣とも見分けのつかない生き物の死体が散乱していたわ…
珍しくお嬢の唇が震え顔が苦しげに歪んだ。十年以上前の事でも、きっと未だに脳裏に焼きついて離れないほど凄惨な現場だったんだろう。
お嬢「明らかになった愛弟子の非道にお父様自身いたく心を痛めていたし…何より世間の目が錬金術に対して非難の目を向けるようになってしまったわ。そして…そして元々体の弱かったお父様は体調を崩し、失意のうちにこの世を去った。」
ノエル「補足しますと聡明な先代が全く気付けなかった程、彼が巧妙に人格者の仮面を被っていたという事です。
    だからこそ実験体となった被害者―――彼は『木偶』と呼んでいたようですが―――を信用させて拉致する事も容易かったのでしょうし、発覚も遅れたのでしょう。」
漏れ様「しかし…その男は人体実験をして一体何を研究してたんだ?」
お嬢「それから暫くしてだわ…傭兵の業界で何度刃に身を裂かれても、矢に射抜かれても死なない化物が出たって話を聞いたのは。」
漏れ様「…って事はまさか」
お嬢「そう。あいつは人体実験を繰り返した事で得た成果を自分自身に試したのよ。
   そして人間離れした身体機能と能力を得た。
話を聞きながら、漏れ様の背筋を嫌な汗が伝った。
漏れ様「…あん時やりあってたら危なかったな…」
お嬢「そういう事。だから何の備えも無しにあいつと事を構えるのは無謀よ。
   まあ、あいつにも変な拘りがあるから早々やりあう事にもならないでしょうけど。」
背景にある事情が事情だけに、漏れ様だったら激昂して飛び掛っていただろうに。この女は妙な所に自制心がはたらくもんだなと少し感心した。
漏れ様「でも、なんだってそんな殺人鬼を帝都が雇ってるんだ?」
お嬢「さあね。宰相に雇われてるって言ってたけど、帝都に雇われてる傭兵なんてゴマンといるし一々把握してないんじゃないかしら。それに今の宰相のこと自体、私はよく知らないからね。不確定要素ばかりよ。」
ノエル「…ところでお嬢、どういったご用件でこちらにいらしたので?」
お嬢「あーそうそう、忘れてたわ。シャーリーに帝都へ買出し行ってもらうんだけど、
   江頭に荷物持ちをしてもらおうと思って。」
漏れ様「ぬ?それはどこの闇市で非合法のブツを手に入れる仕事かな?」
こいつらの買い物だ。どうせロクでもないことに決まっている。
お嬢「帝都の市場で食材を買ってきてもらうだけよ。」
漏れ様「だが断るwwwwwwデキるスーパー内藤の漏れ様が何故買出しになぞ行かないといかんのだwwwwwwww」
お嬢「あらぁ、食材が予定より早く無くなったのは食い扶持が1人増えちゃったからなんだけどねえ」
わざとらしく溜息をつくとお嬢がノエルさんと顔を見合わせてニヤリと笑う。
漏れ様「行かせていただきますwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
まあ、居候してるわけだしそんくらいは貢献しとかないとイカンかwwwwwwwwwwww
しかし今までに無く普通な話なのが逆にとっても気になるwwwwwwwwwwwwwwwwwww

…つーかシャーリーって誰だっけ?wwwwwwwwwwwwwwwwwww


(中編に続く)


<次回予告>
漏れ様「なあー、お嬢」
お嬢「なに?」
漏れ様「確か今回ってクリスマスの話じゃなかったっけ?今更だけど。」
これを見て

お嬢「あー、それだったらコレ」
クリスマス中止

漏れ様「・・・ナニコレ?」
お嬢「中の人がクリスマスに風邪ひいてエライ目にあったから私達もクリスマスは無し!・・・だそうよ。」
漏れ様「・・・・」
お嬢「ファービー人形欲しかったのに・・・・」
ノエル「やっと今年はサンタの代役が来た思ったのに・・・・」
漏れ様「おwまwいwらwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ガッカリする2人


 ザイモク様はどうなってしまうのか!!!11!1次回を待て!!1!!111 

おお、何だかシリアスな展開になってきたー(’ワ’)!と思ったら・・・次回予告で吹きました(≧3≦)=3
うん、エコブームだものね、節電しないとね。ファービーはまた今年!(え?
[ 2008/01/17 23:24 ] [ 編集 ]

>れらさん
中の人はシリアスばかり書けない体質なので、どうしても何処かでガス抜きが必要に・・・
次回予告とはそういうものですwwwwwwwwwwwwwwwwwww
[ 2008/01/19 22:31 ] [ 編集 ]

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