第6話 再び監獄へ(後編)

お嬢「甘いーメーロディー 風にーのれば今夜~♪
漏れ様「・・・」
お嬢「秘密ーめいたー扉が どこかで開くよ♪
漏れ様「・・・・・・・・」
お嬢「見ーつめる Cat's Eye!!!11!1(熱唱) 」
漏れ様「ぅうううrrrrrるっせぇええええええええええええ!1!!!
忍び込み大作戦


お嬢「何よー、人が気分よく歌ってるのに」
漏れ様「時と場所を考えろボケwwwwwwwwwwwwwwww」
そう、ここはインペリアルシティ地下。
今は下水道を通ってインペリアルシティ監獄へ忍び込んでいる真っ最中なのだ。


お嬢「あーあ、折角気合入れて一張羅着て来たのにネズミ一匹いないなんてツマンナイのー」
お嬢は何故か某女怪盗のようなエナメルスーツに身を包みやる気満々できたのに、刺激が無い事でご機嫌斜めのようだが、忍び込んでいるのだから正直言ってこのアマの気に入るような事があっては困る。
ていうか脱獄する最中にはいたはずの巨大ネズミやカニも、お嬢が来たのを本能的に察知したのか逃げてしまっているようだ。

下水道を抜け、これから監獄へ通じる地下通路へ入るというところで鉄の門が設置されていた。
鉄の門

漏れ様「ぬ、この門鍵がかかってるみたいだな。」
門には分厚い錠前がつけられており、壊すのには手間がかかりそうだ。
お嬢「任せなさい。アタシは開錠スキル高いんだから!」
お嬢が自慢げに胸を張って前に進み出る。
そしてこちらが声をかける間もなく錠前を一つまみ。

べきっ

「く」の字形にひしゃげた錠前が鈍い金属音を立てて地面に落ちた。
漏れ様「(分厚い鉄の錠前を指二本で粘土みたいに・・・化物かコイツは・・・)」
お嬢「よし、開錠成功。先を急ぐわよ」
漏れ様「開錠つーよりは壊錠だなwwwwwwwwwwwwwww」
お嬢「誰がうまいこと言えと」
この調子では先行き不安な事この上ないが、今更引き返すわけにもいかず、ため息と共に漏れ様はお嬢と先へ進んだ。


門を越えた先はおそらく非常通路か何かなんだろう。
普段は人が行き来している痕跡も無かったために無警戒に歩を進めていると、突如脇道の方から怒声が上がった。
衛兵「スタァ――――――――ップ!!!11!1
スタァ――――ップ!!

見ると武器を構えた衛兵がものすごい形相でこちらへ向かってくる。
まさかこんな所に衛兵がいると思ってなかった漏れ様はすっかり不意を突かれた。
しかし見つかってしまったものは仕方がない。兎に角今はコイツを何とかしないと・・・
衛兵「そこまでだクズ野郎!貴様は法を犯した! おとなsペサァ――――――ッ!!
突然糸が切れた人形のように崩れ落ちる衛兵。
そしてその背後には何時の間にか回り込んでいたお嬢が、手刀を衛兵の首筋にこの上なく的確に打ち下ろしていた。
この毛フェチが!

お嬢「危なかったわ・・・あやうく見つかるところだったわね・・・」
漏れ様「イヤ、思いっきり見つかってるじゃねえかwwwwwwwwww」
お嬢「あら、3秒ルールを知らないの?
漏れ様「知っているのか雷電?」
お嬢「参秒流宇留・・・それは見つかっても3秒以内に相手を仕止めれば見つかった事にならないという・・・って何言わすのよ。」
漏れ様「(もうこいつに一々ツッコむの嫌なんだけど・・・)」
衛兵が走ってきた方を見るとテーブルや食料入れ、ご丁寧にベッドロールまで置いてある。
どうやらあの衛兵は巡回ではなくここに詰めていたようだ。
漏れ様「変だな、漏れ様が脱獄した時はこんな所にまで衛兵はいなかったんだがな・・・」
お嬢「そうね。いくら警備を厳重にするとはいえ、
   こんな辺鄙なところに衛兵を分散して置いておける人的余裕が今の帝都にあるとは思えないわ。」
疑念を抱きつつもその後は衛兵に発見されることも無く、無事漏れ様は自分が収監されていた牢屋へ辿りついた。
漏れ様が開けた穴はお粗末なことに板で塞がれていただけだった。
床に耳をつけ近くに衛兵の足音が聞こえないか確認し、ゆっくりと板を外して房の中へ侵入する。
幸い、漏れ様の後に誰も収監された形跡は無く、向かいの牢にも誰もいないようだった。
お嬢「まだ次元の歪が開いてればアンタを放り込んで終わりなのにねえ(笑)」
こっちが床へ這って部屋の隅々まで必死に探してるというのに、
この女は椅子に座ってどこから取り出したのか優雅に茶を喫している。
ムカつく事この上ないが、いつ衛兵が見回りに来るかもわからないし時間が惜しいので構わず必死に床を探す。
家捜し

暗所という事もあってなかなか手がかりは見つからなかった。牢内には漏れ様が入っていた時と変わらずくたびれた布団にぼろぼろのテーブル、欠けた食器くらいしか見当たらない。
あきらめかけた時、お嬢が一点を指差した。
お嬢「そこ、何か光ってない?」
ベッドロール脇に何か鈍く光るものがあるのをお嬢が目ざとく見つけた。
土埃にまみれていて一見石ころのようだが、埃を払って磨くと中からは透き通った琥珀色が顔を出した。
そしてその欠片は内奥から静かな光を放っている。
漏れ様「これは・・・塊土のクリスタル・・・」
ヴァナから消える間際、漏れ様は下僕どもに餞別として合成で銘入りサブリガを作って送りつけた。
そういえばその時に使った特殊クリスタルが一個余っていたっけ。
もっとも、今見つかったものは砕けてしまっていて本来の半分も大きさが残っていない。
クリスタル自身が放つ光も今にも消えそうなほど微弱だ。
もしかすると、このクリスタルはヴァナでしか原型を保っていられないのかもしれない。
お嬢「へえ、変わった宝石ね。貴方の世界にあるもので間違いない?」
漏れ様「多分。」
お嬢「アンタがベッドロールに近づいた時だけ光ったのよね。同じ世界の人間に共鳴したのかしらね。」
漏れ様「しかし・・・こんなちっちゃいので関連付けになるのか?」
お嬢「やってみないことには何も言えないわ。でもこれ以上探しても他に見つかりそうもないし、ここはそろそろ引き揚げましょう。」
そう言うとお嬢は踵をかえして歩き出した。壁穴ではなく鉄格子の方向へ。
漏れ様「おまwwwwそっちは違・・・」
漏れ様の声を全く無視してお嬢は左足を大きく前に踏み出し、腰を落として上体を捻る。
それが右ストレートを放つ時のテイクバックだと漏れ様が気付いた時には既に手遅れ。
物凄い破裂音が響き渡り、鉄格子は跡形も無く消し飛んでいた。
お嬢「一張羅が臭くなるからまた下水道通るのヤだし、帰りは正面から出ましょう。」
漏れ様「忍び込んだ意味無えwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



出口へと通じる通路には屈強な衛兵が2名
帰り道

お嬢「通  る  わ  よ  」

彼らはプロである。
一瞬にして見抜いた。

女の放つ尋常ならざる戦力を示すオーラ
それが我を遥かに上回る。

その戦力差は刃物や銃器程度の武器では武器でカバーできるような生易しいものではなく

たとえ兵器を用いても埋まるものか?
想像もつかぬ戦力差


衛兵二人は金縛りにあったようにその場から動けない。
兜の隙間から覗く顔には脂汗に塗れているのが見えた。
そしてお嬢が再び歩き出そうとした時だった。
???「んン~~~~~~~~~だらしがないなア。
衛兵C「!?み、ミスター・・・」
俺参上

何時の間にか、衛兵の間に男が一人立っていた。
立っていた、というよりは「影から湧き出た」と表現した方がいいと思えるくらい、その男は自然とそこにいた。
 貞子?

照明に浮かび上がったその顔は、爬虫類を思わせるような細くつりあがった目に、表情も口の両端が切れ上がっていて笑顔が張り付いているかのようだ。
しかし、表情に比べてその眼光は恐ろしく冷たく、立ち居振舞いの隙の無さから只者ではない事を伺わせている。
衛兵D「あ、あやうく持ち場を離れて逃げ出すところでした。」
???「まア逃げたところで到底逃げ切れまいが、ネ。」
刹那、二人の衛兵は悲鳴を上げる間もなく、血煙を上げて床に倒れ絶命していた。敗者には死の制裁を


男の手には血の滴るナイフが握られている。
???「キミたちはツマらん。
全く抑揚のない声でそう言いながら血塗れのナイフを床に捨てた。
男の表情は相変わらず張り付いた笑顔のままだ。
不覚にも漏れ様には男がナイフを抜いた所が全く見えなかった。
そしてそのまま衛兵二人の喉笛を切り裂いたところさえも。
漏れ様は言葉を失い、助けを求めるように自然と横にいるお嬢を見た。
―――――お嬢の顔色が一変していた。
いつもの余裕の笑みも心なしかひきつっているような感じさえする。
お嬢「・・・なんでアンタがここにいるわけ?」
???「ヒドいなア、久々の再開だというのに。」
お嬢「アタシはなるべくアンタには関わりたくないんだけどね。で、質問に答えなさいよ。」
???「相変わらずだなア、キミは。ボクは今ここに雇われているンだ。」
男はお嬢の言葉にも気分を害した様子は無く、からからと笑って答えた。
お嬢「アンタが帝都に?冗談でしょ?」
???「ンン~~~~~~~~確かに皇帝が生きてた時ボクら流れ者の傭兵は嫌われてたんだけど、今の宰相殿はその辺に寛大でネ。
    まア、元々ボクの方がこんな温室育ちの衛兵なんかより全然強いんだから、ボクはもっと優遇されてしかるべきだったんだヨ。」
男は床に転がっている血まみれの死体を軽くつま先で蹴った。
お嬢の方は話を聞いていながらもはっきりと戦闘体勢を整えている。握りこまれた拳が倍に膨れ上がったように見えた。
???「イヤイヤ、監獄の警備はボクの仕事じゃない。仕事でもないのにキミと殺し合いをする気は無いヨ」
それを察したのか、男がおどけた様子で手を振る。その姿は先ほど衛兵二人を即座に殺したとは思えないほど無防備だ。
???「・・・でも、キミが城の中にまで侵入しようというのなら話は別だけどネ。
一転して途端に男の体からゆらりと陽炎のようなものが立ち昇った。
漏れ様「(コイツ、ヤベえ・・・・)」
直接対峙しているわけでもない漏れさまでも、まるで刃物を首筋にあてられているような悪寒が、たちどころに全身を伝った。
今まで相対してきたどんな敵よりも危険だ、そう第六感が警告している。

二人とも微動だにしないまま沈黙が訪れ、両者の間には形容し難い緊迫した空気が張り詰めた。
ほんの数秒、しかし漏れ様には果てしなく長い時間に感じられる対峙だった。
お嬢がその沈黙を先に破った。
お嬢「・・・そうね。お互いこんな所で怪我してられないものね。」
先ほどの緊迫した雰囲気が嘘のように霧散していた。一方で男の方から立ち昇っていた禍々しい殺気も消えている。
漏れ様がホッと一息ついている所で不意に、フクロウのように男の首だけがこっちを向いた。
???「オヤ、ところで隣の彼とは初対面だネ。」
お嬢「彼は関係ないわ。巻き込まないで。さ、帰るわよ。」
最後の言葉が漏れ様に向けられたものだと気付いた時、お嬢は既に歩き始めていた。
???「もっとお互い殺しあいたくなった時に闘ろう。」
お嬢は振り向きもせず、その呼びかけに応えることも無く早足で歩き続けている。
慌ててお嬢の後を追いかける漏れ様とすれ違いざまに男がボソっと呟くのが聞こえた。
???「・・・キミも、面 白 そ う だ。
不気味な予言

その言葉が、何故か漏れ様の耳にこびりついて離れなかった。



To be continued...

<次回予告>
次回予告6
お嬢「おいサンタ、クリスマスにはファービーが欲しいわ。」
漏れ様「WHAT!?

ザイモクサンタはどうなってしまうのか!?次回を待て!!1!!1!!

※番組の内容は予告なく変更になる場合があります。 

貞子というよりアミバに見えた。
ンンー、間違ったかなー?
[ 2007/12/18 19:18 ] [ 編集 ]

おお、新キャラ登場だー!しかも何だか怪しげな人きたー(≧▽≦)(<変な人大好き♪)
お嬢のスキンスーツ姿も萌えです(´▽`)
こういう、ちょっとずつ展開していくお話は読んでて楽しいですね♪
そして、さり気にクリスマス仕様!
江頭さん、頑張ってファービーを探して来て下さいw(え?今、売ってる???)
それが無ければ・・・銘入りサブリガで(`・ω・´)b(え?)
[ 2007/12/19 00:28 ] [ 編集 ]

>変態仮面
あー、その手があったか。衛兵を木偶って呼んで秘孔の実験台にしたりとか、そっちの方がパロディの幅はあったな。

>れらさん
超スロー更新ですが生暖かく展開を見守っていただければ幸いです。
次回は禿天使がシロディールにファービーを探しに行く話の予定です。ええ、予定です予定。
[ 2007/12/20 23:07 ] [ 編集 ]

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